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【コラム】茶ノ一滴酒ノ一献 #02 茶ノススメ

コラム『茶ノ一滴酒ノ一献』を書かせて頂きます逗子茶寮 凛堂-rindo- 亭主の山本と申します。

このコラムでは、普段の日常を過ごすなかで、私どもの隣に当然のようにある茶や酒について隠れた魅力を読者のみなさまへお届けし、少しでも日常がより豊かなものへと変わるよう茶を淹れるかの如く、心を込めて書かせて頂きます。

#1では凛堂の家紋に由来する禅の言葉を用いて心を整えて頂きました。

今回 #2では、禅の世界と切っても切れない関係であります、『茶』についてお話させて頂き、読み終わる頃には、一人でも多くの方が今日はお茶を飲んでみようかな、と思ってくださることを祈りお話させて頂きます。

今回もお好きなドリンクをお手元に。
一息いれながら始めていきましょう。

はじめに、『茶』と言いましても、多種多様な飲み方や流派があり、“ 難しそう ” というイメージを抱いておられる方が多いと思います。

今日は学術的な話はさておき、“ 茶を飲む ”ということ。
この一つの行動を凛堂の思いと重ねて進めて参ります。

さて、
凛堂では茶や國酒(こくしゅ)を “ 歴史の雫 ” と呼んでおります。

(國酒に関しては♯3♯4で触れて参ります。)

歴史の雫の背景にはこのような言葉があります。

「茶の文化は日本人にしか守ることができず、文化を守ることが生産者を守ることにつながり、生産者を守ることが古来より先人達が紡いできた歴史を守り、また後世に紡がれていく」

注がれた一服の茶と向き合い、水を両手ですくうかのように器を持ち、そして頂く。

急須から落ちる一滴一滴、一服入った茶碗然り、過去から現代へ、そして皆さまの手の中へ紡がれているということです。

亭主が客人に茶を淹れる、一見単純なこのひとつの動作は、何百年も前から日本人が行ってきた動作であり、その時その瞬間と “ 向き合う ” ことができる大切な時間だと思います。

話は私たちが生きる日常へ。

“ 茶を飲む ” ということは、いつものライフスタイルへ “ 茶を一服 ” 淹れることにより、目まぐるしく流れる日常へ、句読点を打つような感覚でしょうか。

ひとまず立ち止まり、ふう、と一息入れる時間を作ると、きっと今まで見えなかった景色が目の前に広がっていることに気づけるかもしれません。

茶をより楽しく飲むにあたり、このような言葉があります。

“ 直心の交わり(じきしんのまじわり) ”

もしかすると聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

本質を捉え、お互いの心を思いやった素直で深い心の交流のことであり、客人や亭主に心を寄せる大切なこと。

茶を淹れるといっても、結局は人と人とが交わることにより成立致します。
凛堂から見ると、『茶』とは即ち客人へのおもてなしの心。

“ 歴史の雫 ”と呼ばれる茶を、普段とは違う心持ちにて、一服の茶と向き合ってみると、より佳き時間になることと存じます。

それでは、♯3でお会いしましょう。

お忙しい中、そしてこの大変な時世の中にも関わらず、貴重な時間を使い、ご拝読頂き誠にありがとうございました。

プロフィール
「逗子茶寮凛堂-rindo-」亭主

山本 睦希 (やまもと むつき)
1988年京都府京都市伏見区出身。銀座の会員制レストランにて給仕人、ソムリエの修業を経て、神奈川県三浦郡葉山町のミシュラン四つ星ホテルの専属ソムリエとして従事。“日本人の給仕人やソムリエにしかできないことがある” という思想を追求し、日本の文化や守るべき伝統、歴史を “現代茶室” というフィルターを通し、茶や酒、旬の食材など日本各地の食文化の魅力を伝えるべく2021年独立、「逗子茶寮 凛堂-rindo-」を立ち上げる。

 

逗子茶寮 凛堂-rindo-
神奈川県逗子市5-1-12カサハラビル逗子B-2F
定休日:不定休
TEL 046-870-3730
Instagram: @rindozushi

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