【コラム】 #心地よい暮らしと、石けんと。 第5回 〜心の穴 〜
- 2021.09.29
- コラム
心の穴
king gnuの「The hole」という曲が好きです。
非常にデリケートな歌詞と、MVの世界観が美しいと感じ、思わず引き込まれてしまいます。というわけで、今回は「The hole」という曲名から、「心の穴」というテーマでお話をしてみます。
誰もがそれぞれに大きさはちがっていたとしても、「心の穴」をもっているもの。
忙しい日々に追われているときには、気付かなかったとしても、ふとした時、欠落感、孤独であったり、寂しさというカタチで「心の穴」があらわれてきます。
そして、わたしたちはそれを懸命に、何かで埋めようとします。
例えばそれは、お酒だったり、甘いものだったり、ギャンブル、ショッピングなど。
人それぞれ様々なかたちの「快楽」を追い求めることで、一時的には埋めたつもりでいたとしても、それは一時的なものであり、決して埋まることはないということにわたしたちは気づいていながらも、それを繰り返す。
では、そんな心の穴を埋めるにはどうしたらいいのでしょうか?
例えば、「埋める」という発想から「満たす」へと言葉と考え方を変換をしてみる。というのはどうでしょう。
つまり、「外側」からあたえるのではなく、わたしたちの「内側」に目を向けてみるのです。そんな風に言われてもぼんやりしていて、よくわからない…、という場合には、下記のことを何かひとつでも意識し、行動してみるというのもおすすめです。
・自分の本心からしたいことを、してみる。
・したくないことは、極力しない。
・ありのままの、自分を認める。
これらのことを心がけ、行動にうつすことで、自分が満たされ、心や体力にもゆとりが生まれます。
すると本来のあなたに戻り、今までとはちがった景色が感じられるようになります。
毎日のごはんがとてもありがたい。
ぐっすり眠り、朝起きることが幸せ。
日常の小さな出来事への感謝の気持ちが、内側から自然と湧き上がり、心の穴も、少しづつ満たされてゆくのではないでしょうか。
どうしても埋めることのできない心の穴は、決して悪いことではありません。
当然のことと認め、受け入れる。
足りなくてあたりまえ。
不足感があってこそ、わたしたちは完全なのだということを思い出します。
社会や親から「こうしなければ」と教え込まれてきた価値観や情報で縛られること。
社会に認められ、人にうらやましがられること。
他人と比べること。
優等生でいようとすること。
これらは全て心の穴を広げてしまうことにつながっている気がしています。
けれど、もうその価値観には意味がないようです。
重たい鎖は軽やかに手放して、心の穴も大切な自分。と堂々と認めて。
やさしくあたたかな気持ちで、満たしてあげられたらいいですね。
【プロフィール】
手作り石けん教室『soapmaking studio uguisu』主宰
なかやまちとせ
自身の肌の弱さと子どものアトピーをきっかけに石けん作りに興味を持ち、学び始める。2016年葉山町の自宅にて手作り石けん教室「soapmaking studio uguisu」を立ち上げ、現在はワークショップ、自宅でのプライベートレッスン、オンラインレッスン、体系的に石けん作りが学べるオリジナルカリキュラムなどを実施中。アート作品のような美しい石けんが並ぶインスタグラムも人気。