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【インタビュー】カフェ『Melting pot』オーナー・原ベックマン 彩子さん

長谷駅から海へ向かう小道と国道134の合流する場所に佇む、北欧料理やバターミルクビスケットが楽しめるお店、『Melting pot』。外観は海を感じる雰囲気だが、店内に入るとビスケットのほんのり甘い香りと、温かい北欧の雰囲気に魅了されます。そんな素敵なお店を経営する、原ベックマン 彩子さんのコラム『北欧の暮らしとごはん』が葉山時間でスタートします。今回は、コラムのスタート前ということで、スウェーデン人のご主人と日々の暮らしを楽しみながら、カフェ経営もこなす彼女にインタビューをしました。

 

毎日の彩りはアイデア次第

 

ーはじめにカフェ『Melting pot』を中心に、現在どんな活動をされていのるか教えてください。

鎌倉市長谷で北欧料理やスープ、バターミルクビスケットを中心としたメニューを楽しめるカフェ『Melting pot』を経営しています。スウェーデンと日本の架け橋になるような仕事がしたいと思い、スウェーデンブランドのコーヒー豆『Johan och Nyström』や、キッチンウェアブランド『Sagaform』の花瓶など、輸入事業も行っています。『Melting pot』は、人との繋がりを大事にし、「ハレ」の日ではなく「ケ」の日、つまり普段の何気ない日常を少しだけ楽しく、大切に過ごせるような空間を目指しています。


ー『
Melting pot』を開店したきっかけは?

今の店舗がある場所は、もともと父親の会社の事務所だったのですが、使用する頻度が少なかったため、店舗として使用できるようにキッチンを改装し、長年の夢だった「自分の店を持つ」という事を期間限定で挑戦してみました。当初は、オープンする前からスウェーデン行きが決まっていたので、20161月~12月までの1年間を『Melting pot』としてオープンし、その年の12月にスウェーデンに引っ越しをしました。2019年9月に日本に帰ってきたタイミングで再オープンさせて頂き、現在も営業しております。

ースウェーデンへ引っ越したのはなぜですか?

引っ越しをした当初はまだ結婚はしていなかったのですが、主人がスウェーデン人なのが一番の理由です。料理や文化にも興味があり、住んでみたいと思い引っ越しを決めました。

ー実際にスウェーデンでの生活で感じた、日本との違いなどを教えてください。

日本は一年を通して日照時間はほぼ変わらないけれど、北極に近い白夜のあるスウェーデンでは、太陽の動きがとても速く感じました。特に私はストックホルムから北に900キロほど離れたLuleå(ルーレオ)という町に住んでいたので、冬は暗く寒く(−30度になることも)、夏は長い時間明るい場所で生活をしていました。スウェーデンでは、ジェンダーや宗教に対する考え方はかなり違うと感じましたね。移民の方も多く、見た目だけではスウェーデン人と判断できませんし、宗教に関してもさまざまな人種が集まっているので、多様な宗教が共存していました。女だから子育てをする、とか男だから仕事をする、というような概念もなく、それぞれが自分の生き方を楽しんでいると思いました。

ー日本に戻ってきてからすぐにコロナウィルスの影響があったかと思いますが、『Melting pot』で行われているワークショップやイベントを教えてください。

現在コロナ禍で大きなイベントはできませんが、先日はスウェーデンの暮らしにフォーカスした雑貨の販売展示を行いました。そのほかにもスウェーデンのクリスマスビュッフェ、アコースティックライブ、ヨガのイベントなども過去に実施しました。企業の方向けにZOOMを使ってパンやスープの料理教室を行ったこともあります。今年は、10月に可愛いくてポップな有田焼きの器のイベントも企画しております。インスタグラムなどでチェックできますのでご覧ください。

ーそもそも、料理との出会いは?

おいしいものを食べることや、料理をすることは小さい頃から大好きでした! 魚をおろしたり、母の手伝いも自然とやっていましたね。母と、母方の祖母が料理上手だったので、教えてもらったり、工夫した料理の話をよく聞いていました。いまだに母に教えてもらうこともたくさんありますし、祖母は他界してしまったのですが、もっと知りたいことがたくさんあったなぁ、と感じています。

ーお料理以外にプライベートではどんなことを楽しんでいますか?

何でも知らない世界に興味を持つタイプなので、趣味は多いです! スウェーデンではずっと刺繍や編み物をしていました。今は自宅の庭で店で使うハーブを育てたり、お花を育てることも好きです。ヨガなど運動もできるだけ毎日するように心がけています。

ーまもなく葉山時間でのコラムも始まりますが、現在の活動を通して伝えていきたいことなどを教えてください。

スウェーデンの魅力や、文化を伝えていきたいことはもちろんですが、経営しているカフェを通して、人と人との繋がりを大事にしていきたいです。そのなかで、私の料理に対する想いや暮らしを豊かにするアイデアなどを伝えていきたいと思っています。

ー最後になりましたが、葉山時間で執筆して頂くコラム『北欧の暮らしとごはん』ではどんなことを発信していく予定ですか?

スウェーデンの生活を軸に料理や雑貨についてお伝えすると同時に、日常の生活をちょっと楽しく過ごすアイデアなどを私の経験を通してお伝えできればと思っています。気がついたら一日が終わっていた、という日もあるかもしれないけれど、そうじゃない日もある。アイデア次第で毎日の生活がもっと楽しくなるような考え方やヒントを発信するので、ぜひ楽しみにしていてください。

Melting potオーナー
原ベックマン 彩子

鎌倉に生まれ育ち、スウェーデン人の夫と暮らす。服部栄養専門学校卒業後、世界の食文化に興味を持ち、さまざまなジャンルの飲食店で働く。カナダではベイカリー、スウェーデンではレストラン勤務を経て、鎌倉・長谷にスウェーデン料理を取り入れながら、カナダで学んだバターミルクビスケットやスープをメインとしたカフェ『Melting pot』を経営。現在に至る。

Melting pot
神奈川県鎌倉市長谷2丁目21−5
営業時間:8:00〜15:00
定休日:日曜、祝日

 

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