【コラム】#幸運を引き寄せる暦のおはなし 第二回 玉串の上手な奉納のお作法とは?
- 2021.07.12
- コラム
玉串の上手な奉納のお作法とは?
こんにちは、ひさとみゆりかです。第二回目の「#幸運を引き寄せる暦のおはなし」となる今回は大人として身につけておきたい、玉串の奉納のお作法についてお話しします。
これまで神社でご祈祷を受けるとき、またお祝い事やお悔やみの式で、鮮やかな緑色の葉がついた細い枝木に白い紙がついたものを奉納した経験はありませんか?
これは “玉串(たまぐし)”と言います。
この “玉串(たまぐし)”を奉納することを玉串奉奠(たまぐしほうでん)と言いますが、玉串奉奠は参拝者自身の祈りをこめて、参拝するとても大切な儀式なのです。
ただそのお作法について習う機会がないため、奉納方法がわからず前の人の作法を確認したり、祭壇の前でオロオロと奉納してしまった…、という方も少なくないと思います。
今日はこの “玉串(たまぐし)”について、大人であれば身につけておきたいお作法を知り、幸運を引き寄せるルールを身につけていきましょう。
玉串とは何か、どんな意味があるのか考えていきましょう。
玉串には榊(さかき)という植物を使用することが一般的です。前回の第一回のコラムでお伝えした、神棚に準備をする植物と同じものになります。緑色の尖った葉を持つ榊には神霊が宿るとされており、神様への捧げものとして玉串奉奠の儀式には古くから用いられています。
そして玉串奉奠の“奉奠(ほうでん)”とは、お供えをする、という意味で神道で大切にされている文化です。そのため神社でのご祈祷や、神道式の結婚式またお悔やみの式でも行われます。
また玉串についている白い紙は紙垂(しで)といいます。紙垂は、ただギザギザに切った紙かと思いきやこれも特殊な切り方がきまっていて、使用されている紙自体のルールもあります。神社で注連縄(しめなわ)にも用いられているので、そこでも見かけたことがあるかもしれませんが、これは雷に見立てられていると言われており、雷により邪気払いを行うという意味があるそうです。
玉串にはそのひとつひとつに、とても深い意味があるのです。
玉串奉奠の正しいお作法を学びましょう。
これは地方により少し変わる場合がありますが基本的なルールをお伝えします(榊も地方により植物の種類が異なり、沖縄ではガジュマルを用いた玉串に出会ったことがあります)。
最初に神職や係りの方から玉串を渡されます。このときに軽く会釈をして受け取ります。受け取る際からルールがあり、もちろん片手で粗末に受け取ってはいけません。
受け取り方は、まず右手で枝の部分を上からおおうように軽く持ちます。それから左手の上に乗せて持つように葉の上の部分を支えます。このとき、枝葉は横になるようにします。
それから胸より少し高いところで保ち、玉串を奉納する台(玉串案)の前まで進みます。
玉串案の前で一礼をし、その後玉串を時計回り(右回し)に90度、枝部分が自分自身に向くように縦にし、左手も枝部分にそえて、両手で枝部分を持つような姿勢になります。
葉の部分を少し立てるよう縦にし、そこで目を閉じ祈りをこめてください。
最後にその玉串を玉串案に置きます。
まずは枝葉に添えていた右手を玉串の中央までスライドさせ、先ほどと同じく時計回り(右回し)に90度回します。今度は、葉の部分が自分自身に向くように回します。
そして右から一歩前にでて玉串を置きます。戻るときも右足から戻り、神前のほうを見ます。
最後に、気持ちをこめて「二礼二拍一礼」
お祝い事のときは必ず行い、かつ2回の拍手もしっかりと音をだします。
反面お葬式などお悔やみの式では、二礼二拍一礼ではなくお辞儀だけ、また行う場合の2回の拍手は音をたてずに目を閉じ祈りだけにします。
そのあと、静かに元の席に戻るか、案内される方へ進みます。
これが玉串奉奠の正しいお作法です。
いかがでしたでしょうか。
持つ部分や、回転させるなど決まりごとが多いように感じるかもしれません。
ですが、すべて完璧に行えなくても大丈夫。いちばん大切なのは、この玉串に込められた意味を知り、そしてご自身の気持ちや思いを神様にしっかりとお伝えすること。これがいちばんのポイントなのです。
お作法も基本的なところを覚えておけば今後はあまりそわそわすることなく、お祈りに気持ちを込めることができるのではないでしょうか?
これから先、どこかでこの玉串奉奠の場面にあったら、このお話しを思い出し参考にしていただけたら幸いです。
次回は日頃の参拝など、神社でのお作法についてお話しいたします。
ファイナンシャルプランナー兼暦鑑定士
ひさとみゆりか
新卒で証券会社に入社後、ご縁がありお寺や神社の資産運用にたずさわる。そのときに旧暦(こよみ)の見方、考え方を教わり、学びを深め、富裕層のクライアントなどへ暦のタイミングについて話せるようにまでなる。2016年暦でみるタイミングが吉となりファイナンシャルプランナー兼暦鑑定士として独立し、半年後に本を出版。2020年よりインスタグラムにて暦の発信をスタート。現在は暦と季節を大切にするサイト<暦と季節>をリリースし、日本古来から続く暦について伝えている。
暦と季節を大切にするサイト
https://koyomitokisetsu.com/
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