葉山時間

Column

【コラム】 #心地よい暮らしと、石けんと。 第2回

手作り石けんの魅力と、繊細な人。

 

日常的に楽しんでいる石けん作り。
「石けん作りの魅力とは一体なんだろう?」と改めて考えてみました。
今回のコラムでは個人的に思う、石けん作りの魅力3つについてお話をします。  


石けん作りの魅力①「シンプルかつ、奥深い」
必要な材料は「オイル・水・苛性ソーダ」の3つでとてもシンプルです。 食卓に欠かすことのできない身近なオイルから、お肌にやさしい石けんが簡単に作れる反面、奥深さは果てしなく「シンプルでいて奥深い」。その相反するギャップにたまらなく惹きつけられてしまうのです。  

石けん作りの魅力②「愉しみがいっぱい」
好みの色にしたり、アロマオイルで香りづけもできる。さらに、形を変え、デザインもできます。自分の「好き」がギュッと詰まった手づくり石けんと共に過ごすバスタイムは至福です。作るときも使うときにも、愉しみがいっぱい詰まっているのです。  

石けん作りの魅力③ 「消えてしまう」
使うと消えていく。当たり前のことですがそんな風に「消えてしまう」という儚さも、たまらない魅力です。そして洗い流した石けん水は、24時間で水・二酸化炭素・石けんカスに分解され、水中のバクテリア等の栄養源となります。いずれ自然に還ってゆくという点においても環境への負担が少なく、やさしさだなぁと感じています。  


以上、私が思う「石けん作りの魅力3つ」をご紹介しました。  

語りたい魅力はまだまだ沢山あるのですが、少しでも石けん作りの魅力を感じていただき、興味を持って頂けたらとてもうれしく思います。  

さて、ここからは少し石けんの話題からは離れて「繊細な人」について書いてみようと思います。では、具体的に「繊細な人」とはどんな人を指すのでしょうか。  

それは、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱したHSP(Highly Sensitive Person)という概念がベースとなった言葉のことで、日本語で表すと「とても繊細な人」「敏感すぎる人」などと訳されています。  

最近では日本でもこの概念は広まり、さまざまなHSP関連の書籍が沢山ある中で、私が手にとった一冊がこちらです。  

「繊細さんの本」武田友紀著
「職場で機嫌の悪い人がいると、気になる」
「人と長時間一緒にいると、疲れてしまう」
「小さなミスに気付いて仕事に時間がかかる」
これらのことに、当てはまるかも。と思ったあなたも「繊細さん」の可能性があるのだそうです。

実は、私自身も繊細な気質を持っています。
昔から、人と長時間一緒にいるととても疲れてしまうタイプで、グループ行動が得意でなく、ストレスに弱く、少しでも違和感のある仕事につくと苦しくなりすぐに辞めてしまったりで「自分はダメ人間だ」と思い悩んだりしていたこともありました。そんな中、本書に出会い「HSP」という概念があるということ、そして世の中には「生まれつき繊細な人」が、5人に1人の割合で存在するということを知りました。それは決して性格的な問題なのではなく、生まれつき背が高い人がいるように「繊細さ」というのも、その人が持っている一つの気質だということを知り、とても安心できたことを思い出します。また、本書の中では繊細な人の特徴として「痛さ、つらさであっても、心地よさであっても、同じように感じる力が強い」ということが書かれています。

そんな風に、毎日あらゆる刺激に忙しい繊細さんにまず必要なこと。  

それは、痛み・ストレスに耐えられるように自分を無理に作り変えたり、平気なフリをすることではなく「本音を大切にしていくこと」それこそが勝負どころなのだ、と著者は言います。いきなり本音で生きていくなんてそんなの無理だよー。と思われる方は、まずは小さな本音「お散歩したいな」「ゆっくり眠りたいな」など毎日の「こうしたいな」をキャッチするところからはじめてみるのもいいですよね。  

最後に、本書の中でお気に入りの一文をご紹介します。  

「人は、自分のままで生きると元気だ」

自分をまるごと引き受けて生きていこう。そう思わせてくれるような、心も体ものびのびできる、温かな言葉が散りばめらています。少しでもピンをきた方はぜひ一度本書を手に取ってみることをおすすめします。

次回は、「正しい石けんでの洗顔方法と、皮膚の不思議」をお話します。

 

【プロフィール】

手作り石けん教室『soapmaking studio uguisu』主宰

なかやまちとせ

自身の肌の弱さと子どものアトピーをきっかけに石けん作りに興味を持ち、学び始める。2016年葉山町の自宅にて手作り石けん教室「soapmaking studio uguisu」を立ち上げ、現在はワークショップ、自宅でのプライベートレッスン、オンラインレッスン、体系的に石けん作りが学べるオリジナルカリキュラムなどを実施中。アート作品のような美しい石けんが並ぶインスタグラムも人気。

Column 一覧